プロが教える草取りのコツ
草取りのコツ 知っているだけで、雑草の生え方が違います!
ポイントは「1寸下」から・・
草取りのコツで大切なことは1寸(3cm)下を刈る
たったこれだけと思うでしょうが・・
なぜならば、草本類(草)のそのほとんどは、地面の表面から3cm内外での生育が盛んです(3cm下に根をよく張ります)。ですから、3cm下から掻き取るよう作業します、そうすることで、草が出るまでの期間も長くなりますし、草の出る量も少なくなります。
もちろん、より深くから取り除ければそれに越したことはありませんが、小面積ならともかく、面積多くなればなるほど、土の量が多くなったり、固い路盤では大変な作業となります。また、腰を壊したり、膝を傷めたりでは本業がままならなくなります。すなわち、「根から全部取れ」は「言うは易し行うは難し」であります。<草取りできない人のために>
草取りの名手
慣れない間は、「寸下、寸下」又は、「3c下、3c下」とつぶやきながら行うと良いでしょう。草取りの名手おばあちゃんも、座りながら、草刈り鎌を右手に、左手で草を掴み、3c下を鎌で土を鋤きながら同時にシュシュと草引く、素早く繰り返し草取りをします。何気にやっていますが鎌は3cしたくらいをけずっています。(手慣れないと草刈り鎌での草掻きは危ないですから、コンコン鎌などにします。)
草取り道具
道具は、お勧めは昔ながらの立鎌ホーや三角ホーで今では軽いアルミ・ステンレス製も出ています。宅地造成などでカチンコチンの地面などでは、スコップを刺して根っこごと草引きすることには無理があります。寸下で良いとあきらめて作業します。無理すると腰など体を壊しますし、面積が進みません。どのみち根絶はできませんし、しかも種も風や虫がが四方八方から飛んできます。
使い方のコツは!
右上から斜めに左下に掻き取る、その時1寸下を意識します。これを「シュッシュ」と手際良く繰り返します。3cm下から掻き取った草の土は、簡単にほぐれますので、集草作業も同じ道具を上手く使ってこなします。(道具を取っては替えする時間がままなりません)
手袋はゴム・ビニール系
雑草に素手や一般的な白地の軍手は相性悪く、安いもので良いのでゴム系をお勧めします。草を抜くときにかかる引張り力に違いがでます(摩擦係数が高くなる)。意外と気に留めないことですが大切なチョイスです。
風に向かって!
風のある場所では向かい風での作業が良い。追い風での作業は、懐に風を巻き込んで、土ほこりが目などに入りやすく、作業しがたくなります、また乾いた土で強風の時などは、眼をあけるすらできなくなります。
作業は前進で!
後退しながらの作業が楽なのですが、土と除草した草とが混じりあって、どこまでやったか分からなくなったり、集草も土が多くなり手間取りますので、前進しながら、部分的に後退しながら、行います。狭い所の雑草、例えば石の間、コンクリート土間の隅などは、コンコン鎌をひとつ腰に付けて、尖った部分を利用して草取りすると良いでしょう。
そして、立ったり座ったりの繰り返しは大変ですから、ひざのためにも、座ったら座りっぱなし、立ったら立ちっぱなしで続けられるようにします。また、座りながらの草取りには、移動イスを利用したり、コンコン鎌が重宝します。3c下を意識して掻き取ります。み等を草の前方に置き、掻き取り→土振るい→集草→草をみに入れる、を繰り返し前に進みます。
ちなみに、防草の友による、雑草対策では、この3cm下に酸化マグネシウム(苦土肥料)による防草層を設け、環境によく、安定した防草効果を発揮します。
とらず求めず
それでも草取りは、根気が必要です。固く締まった土、4、5回急いでやって、ハアハア・・何かにとらわれていると疲れます。白隠禅師の「とらず求めず草取りしやれ」で、急がず、バタバタせず行ないましょう。草取り時間の有効活用
※防草面積があまりに多いようでしたら、様々な雑草対策から見合う方法を選び(チョイス3原則・雑草対策36計)、作業範囲を減らし、自分に見合った面積にして、気持ちを楽にして見てはいかがでしょうか。<<草取りできない人のために>
忍耐強さとコツコツとした作業
草取りは忍耐強さとコツコツとした作業が必要です。毎日少しずつ行うことで、庭を美しく保つことができます。
雑草の発生源の特定
雑草が発生する原因を特定し、それに対処することで再発を予防します。土壌の改良や日当たりの調整など、庭の環境全体を見直しましょう。
その他コツシリーズはこちらから→病害虫激減のコツ・水やりのコツ
三角ホーによる寸下草掻き
右上から3cm下を意識して・・左下に掻きとる。
手際良く繰り返します。
しばらく繰り返したら(飽きたら、疲れたら)集草します。前に進みながらの方が集草作業が楽になります。硬い路盤は力も入ります、休み休み行ないましょう。
株根などは尖った部分を深くグイと差し込んで取ります。写真はカモジグサの大株です。こじて根っこを掘りあげます。(力任せにこじると三角ホーが壊れますのでほどほどに)
雨の日の大変な集草作業
雨の降った後等は、土が柔らかく比較的簡単に草取り作業ができます、しかし土振るい集草作業は草が濡れているほどは大変になります。ですので、あまり乾いて土が舞い、作業しにくいようでしたら適度に散水し、地面を湿らしてから行うことも良いでしょう。
ネタ話しにつられ水をかけたは良いが過ぎて大変な目にあったりします。雨の日の集草作業は写真のように土くれで大変なこととなります。集草は別の日としましょう。
草取り(草掻き)の道具:お勧め
写真左上、波刃のコンコン鎌
座っての草取りに便利です。コンクリートや道路際の隙間などに生える草は、移植ゴテやスコップ等では歯が立ちません、コンコン鎌の尖った刃先を利用して削るように取るのが良いでしょう。先が尖り力も入りやすく、狭い所にはとても重宝します。草掻きばかりでなくいろいろな場面に使えます。
・写真中央
三角ホー アルミの軽い物、大きいサイズが良いでしょう、また、集草もできるタイプもあります。
・写真下
草刈りレーキ付き、集草が一緒になった草搔き、それらは、比較的柔らかい土の時役に立ちます。
波刃のコンコン鎌
昔からお馴染みの立鎌ホー
軽いアルミ製もあります。
・草取りフォーク
しぶとい草の根を取るとき重宝します。てこの原理で抜きます。大きいサイズが良いでしょう
・集草作業、土と草を振るう作業に集草フォークが便利です。なぜならば、草取りの面積が多くなればなるほど、振るい集草作業も大変になるからです。
一面草
<道具の話>←より詳しく
只管草取り
雑草対策も畑作もお庭の手入れもまずは草取りから始まります。
私の小さい頃の記憶に、畑で下を向き、汗だくになって草取りをしている姿を今でもはっきりと思い出します。その、したたり落ちる汗の感覚をいまでも忘れません。風の通らない長いも畑やモロコシ畑の中での草取り、とてもつらいものでした。
知らず熱中症
ムンムンとした暑さの中、疲れからボンヤリとしながらも子供心に、「この流す汗の量が肥料になって良いものができるのだ」と自分に言い聞かせ、草取りをしたことを思い出します。いわゆる、今でいう熱中症に知らず知らずなっていたのでしょう。しかし、今の時代こういった精神論はもはや害でしょう。
私は、会社勤めで緑化・造園工事を30年以上経験し、真行草の和庭造り、裏千家茶道を経験し茶庭造り、石庭、エクステリアと呼ばれる洋風庭園、などを営業~設計~手配~施工~集金まで行ってきました。今こうしてあらためて昔のこと考えると、人々の意味付けによる世界に振り回されてきたような気が致します。一木植える、一石据えるにもそこに意味を付け(観念)・・一部の人に都合のよいそろばん勘定、理屈等々・・それらに振り回されてはだめですね=疲れる。
なんでこんな話をするかというと・・
炎天下で行う草取りには、それらを超越した何かを感じるからです。
人生・お金・会社・上司・圧力・家・仕事・世事・・意味付けられた社会、それらにとらわれてる自分いつも何かにとらわれて、落ち着かない・・気が付いたら人生も後半なんてよくある話です。とはいっても、社会あっての自分でもありますし、まして山奥で一人で暮らすことなどできません。調和・中庸・バランスが必要ですね。
草取りと守・離・破
そもそも、とらわれの身では、離れるアイデアも破るアイデアも、まして、良いアイデアなど浮かぶはずもないでしょう。その鉄鎖をふりほどき・・只ひたすら草取りを行う。したたる汗に人生の本質を知る・・たまには、頭と体を切り離して動くことも大切です。草取りの始めは、あれこれ良からぬことを考えがちですが、思考が停止したとき、ぱっといいアイデアが浮かぶもこともあります。すなわち、草取りとはまさに・・禅のようなものでしょうか。
白隠禅師師
・白隠禅師 草取り唄から(詩を分かりやすく変えてあります。)
「草取りつねに心からとり離しやるな 草取りしぶりに胸焦がしやるな。とらずもとめず草取りしやれ。」
・・一心に草取りに取り組め 草取りをしぶりあれこれ思い悩むな。思いや欲にとらわれず只々草取りをしなさい。心に生えた雑草を取って爽然と本来の自分になりなさい。あれこれ考えず草取りしなさい。草=煩悩
周梨槃特(しゅりはんどく)もご参考に→ ミョウガのように
つまり草取りをおすすめしているのです。
人生は草取りにはじまり、草取りに終わる。ちょっと大袈裟か・・災い、世事、煩わしさ、仕事等あらゆる出来事を草取りに置き換えて、「草取りしやれひたすらに」
- 雑草は自分の鏡、削られても、取られても、また生えて来る。
- 雑草はいつも上を向いて、元気いっぱい、吾も亦。
- 逆境こそ次へのチャンス、吾もまたパイオニア雑草。
- 幸せは踏まれて育つ。 ・・そう思えたらいいですね。
また、今の時代除草剤を始めとして雑草を除去する方法はいくらでもあります、しかし雑草は、今を勝つことよりどこかで生き抜くことを選び、その場所に適する姿にも変化します。それは、生成化成の原点でもあるのです。だから雑草のようにしなやかに活きましょう。雑草の起源
すなわち、勝つことより活き抜くこと、如何に為すかよりどう在るか。
・人間は考える葦である。(パスカル)
人はアシのように弱いが、アシのようにしなり、かわし、柔軟に、考えることができる。(日本ではアシは悪しにつながるのでヨシ(良し)と呼ばれる。))こちらも参考に→人は草である
草取りのススメ
草取りを、無理やりポジティブシンキング、前向きに考えろということではなく、適度に、健康のために行えることが良いことと思います。特にデスクワークの仕事をする方や、考える仕事・頭を使う仕事の方々には、草取りを少しやることで、身体のバランスを取れよく眠れることでしょう。草取りを行う場所、量にもよりますが、庭で植物や土に触れるという行為は健康にとても良いことです。五感を知る草取り・植物由来の刺激・草取りでよく見る雑草・草取り時間の有効活用
てなわけで・・
少しでも草取りのお役に立ち、草取りを楽しめることができますように、今まで養った除草のコツを紹介いたします。
さあ・・草取り上等、頑張りましょう! 歌いながらの草取りも調子よく楽しく作業できます、草取り憂さ取り歌を用意してみました。<草取り憂さ取り歌>
草取り作業前の注意
やる気になるお洒落でエコなみすゞ手差し
01 熱中症対策
水分補給(体に吸収性の良い飲み物を)
余談ですが防草の友の成分(Mgo)もアルカリ飲料水に少量含まれています。(といっても舐めても大丈夫ということではありません。)
02 風通しの良い服装(特に大切、重要です。)
体の中に熱がこもること・・熱中症につながります、できれば長袖で風通しの良い服装がよいでしょう。日除け、麦わら帽子など・・日本手ぬぐいを水に濡らして絞り、姉さんかぶりも良い・・
手差しのお洒落
さて、草取りで一番おしゃれできるところといえば、手差しですね、私共は手甲と呼ばれるもので手首をケガなどからカバーしたりしますが、手差しも前腕部を保護すると同時に、特にオシャレのポイントにもなります。また、手首前腕部がしまることによってやる気もでます。かわいい柄物や、渋い色使いもいいものです。女性はとても魅力的かつ清楚に感じますのでお似合いです。個性のあるものを使用してみましょう。
みすゞ手差し
おふくろは、私の昔のワイシャツの袖や、昔の服の袖を使って手差しを作ります。色合いや柄が様々で、これがとてもおしゃれで良いのです。どこかで見たことのある柄と思いきや、昔の学生時代の服袖を使った、ドキっとする懐かしい柄も出てきたりして、腕に差したくなり「草取りでも、ちょっとやってみようか」とやる気にもなります。みすゞ手差しはとてもエコできっと気に入ります。是非挑戦してみて下さい。
写真は実際使用しているものです。すでに汚くて申し訳ないのですが雑巾ではありません・・ご参考までに・・
03 くまさん、はッつあん、やまさん、
藪蚊・・防虫対策
草取りに、クマさんの注意はあまり必要ではないとおもわれますが・・
とくにはっつあん(ハチ)には注意が必要です。指を差し込んで始めて気がつき、時すでに遅し・・痛タタ 巣にかなり近づかないと出てきません。そこで、作業前にホウキなどで叩いて確認してから作業しましょう。また、黒い服装、化粧水(強い匂い)も好みますので注意しましょう。
ちなみにやまさんはヤマカガシ(蛇)のことで、マムシなどは夜行性ですので、昼間出会うとする毒蛇はヤマカガシでしょう・・でもであったことはありません。
とりあえず・・・
ハチの巣退治用の殺虫剤スプレー、蚊よけのスプレーなど、刺されたときのための、薬などの用意があれば良いでしょう。
動植物の応急処置
(※抗ヒスタミン剤・・かゆみを抑える ※ステロイド剤・・炎症を抑える)
・植物類
ヤマウルシ、ツタウルシなど触れるとかぶれる種、触れてかぶれたら、できるだけ早く石鹸で洗い、抗ヒスタミン入りステロイド軟膏を塗る。
・昆虫類
チャドクガ、ドクガ、イラガなどの毛虫類
皮膚に刺さった毒針を粘着テープなどで取り、しっかり水洗い清潔にして、抗ヒスタミン入りステロイド軟膏を塗る。炎症が酷い場合には、医師の治療を受ける。
・キイロスズメバチ、オオスズメバチなどのハチ類
ハチ毒を吸い出し(ボイズンリムーバー等、口では吸わないこと)、水洗い清潔にして、そして、抗ヒスタミン入りステロイド軟膏を塗る。アナフィラキーショック症状は命に関わるので安静にして救命処置が必要です。
・アブ、ブヨなど
血を爪などで強く押し出し、抗ヒスタミン入りステロイド軟膏を塗る。
04 草取りと腰痛
腰痛を治すコツはストレッチ、打撲などでなく、炎症が治まりつつあれば、お風呂上がりにストレッチして伸ばすことに集中しましょう。特に股関節、相撲の仕切りでする四股(しこ)を、肩を入れて(背中肩甲骨意識して)を行うのがより効果的です。兎にも角にもストレッチ‼️
整骨院では教えてくれません。なぜならば、早く治ってしまうから。私も直近かなりの腰痛に悩まされましたが、風呂上がり散歩しながらのストレッチを2日行い、ある程度動かせるようになり、かがみながらの草取り作業をこなしました。
中高年の特に男性諸君、楽にかがめますか?しゃがめますか?ストレッチしましょう。兎に角ストレッチです。❣️