なぜ樹木の診断に「ミクロの同定」が必要なのか?
樹木医による樹木の病気を正しく治療するためには、『正確な同定』が欠かせません。
一見すると同じように見える葉の枯れや変色も、原因がカビ(糸状菌)や細菌なのか、あるいはアブラムシやカイガラムシ、肉眼では見えない微小なダニによる被害なのかによって、選択すべき薬剤や対策は180度変わります。
勘や経験だけに頼って間違った薬剤を撒けば、病気を治せないばかりか、樹木に余計なストレスを与えてしまうことにもなりかねません。だからこそ、顕微鏡を用いた「ミクロの視点」で原因を正確に特定することが、樹木を確実に救うための第一歩となるのです。
【当ラボの相棒】

オリンパス TOKYO GK型
当樹木医事務所の診断を支えているのは、知る人ぞ知るオリンパスのレトロな名機「TOKYO GK型」です。
現代のプラスチック製や簡易的なデジタル機器にはない、重厚な金属ボディと質の高い国産ガラスレンズを備えた昭和の逸品。時代を超えて愛されるこの「相棒」を手に、ミクロの世界までしっかり見極めて確かな診断を行っています。

カートン DSZ-44(実体顕微鏡)
葉や枝の表面、微小な害虫を立体的に観察するために活躍しているのが、カートン光学の実体顕微鏡「DSZ-44」です。
プレパラートを作らずそのまま載せて観察できる優れもので、アブラムシやカイガラムシ、微小なダニの細部まで鮮明に捉えます。
菌を深掘りする「オリンパス GK型」と、害虫を立体的に捉える「カートン DSZ-44」。この2台を状況に合わせて使い分けて、「たぶんコレだろう」で終わらせない診断を心がけています。

【現場に連れ出す相棒】ニコン 初代SMZ
現場(屋外)での機動力を支える相棒として活躍しているのが、ニコンの初代「SMZ」です。
昭和の日本光学(Nikon)が誇る堅牢な作りのズーム式実体顕微鏡で、外でも持ち運べるタフさと、ニコンらしい明るくシャープな見え味が魅力です。
現場でサッと取り出し、その場で葉の裏や害虫の姿をリアルタイムで観察。持ち帰ってじっくり診る前に、まずは現地でスピード診断をつけるための強い味方です。
「昭和生まれの相棒たちと診る、お庭の未来」
「実は、現場で使っているニコンのSMZも、ラボで構えるオリンパスのGK型も、私とほぼ同世代(昭和30年代生まれ)の相棒たちです。
現代のプラスチック製にはない職人技の詰まった、60年を超える同世代のタフな道具たちと一緒に、今日も現場で「ミョウガのように」泥くさく、お庭と向き合っています。

【樹木医診断の裏付け】現場とミクロを繋ぐ愛読書たち
顕微鏡で捉えたミクロの姿を、誤りのない確かな診断へと繋げるために欠かせないのが、長年手元に置き、くり返し開いてきた専門書や図鑑の数々です。
- 樹木診断・樹木医の基礎
- 『樹木医必携』
- 『樹木大図説』
- 『樹木根茎図説』
- 『有用樹木図説』
- 『日本の野生植物』
- 顕微鏡診断・病害虫の同定(超専門図鑑)
- 『原色樹木病害虫図鑑』
- 『日本原色アブラムシ図鑑』
- 『日本原色虫えい図鑑』
- 『日本原色植物ダニ図鑑』
- 『日本原色カイガラムシ図鑑』
- 『日本幼虫図鑑』
- 現場での現場即応・樹木識別
- 『葉でわかる樹木』
- 『冬芽でわかる落葉樹』
……ほか多数


大企業のような綺麗な大型設備はありません。 ですが、自分と同じ時代を歩んできた信頼できる道具・本たちと一緒に、「今日もミョウガのように泥臭く、お庭と向き合っています。」

